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超低ガス放出Q-mass WATMASS Ultra-low Outgassing RGA

WATMASSは、Q-mass自身からのガス放出に徹底的にこだわり、 従来型のQ-massの1/10000まで低減することに成功しました。 増倍管なしでも10-8Paまでの正確な水素分圧力測定が可能です。

超高真空・極高真空で使用するQ-massの必須条件

Q-massを使った超高真空(10-7Pa以下)のガス分析において、 最も注意すべき点は、Q-mass自身からのガス放出です。 一般的なQ-massは測定子自身からのガス放出が非常に大きいため、 10-7Pa以下では、正しい気相中のガススペクトルが得られません。
ベーク後の、H2だけのスペクトルを見て「さぁチャンバーは綺麗になった! 実験を始めよう!」と単純に考えたら大間違いです。 そのH2のほとんどは、Q-massが発生しているもので、 気相中から得られたものではないのです。
WATMASSは、Q-mass自身からのガス放出に徹底的にこだわり、 従来型のQ-massの1/10000まで低減することに成功しました。 10-9Pa台まで高精度のガス分析が可能です。 超高・極高真空で正しいスペクトルを得られるのはWATMASSだけです。

低ガス放出化への徹底したこだわり

1.イオン源部を新素材(0.2%BeCu)に埋め込み、 徹底した低消費電力化(低輻射率/高熱伝導率)を施すことで イオン源の温度上昇を抑え、大幅に低ガス放出化。
2. グリッドを白金イリジウム合金で製作し、電子衝撃脱離(ESD)ノイズを軽減。
3. 単結晶サファイヤ基板にグリッドをマウントし、高絶縁性を保って1000℃の連続高温脱ガス
4.センサー全体を低ガス放出0.2%BeCu合金構造材化

センサーヘッド

Qポールと2次電子増倍管部も0.2%BeCu合金製です。
グリッド温度は200~1100℃の間で自由に選択可能です。
加熱しながらガス分析ができます(写真は1100℃の状態)。

WATMASS Specialのスペック


タイマー付グリッド加熱電源
(5mケーブル付)
測定範囲 10-9Pa~10-1Pa
分圧計の感度 1×10-6A/Pa(FC)
1×10-3A/Pa(EM使用時)
最小検出分圧感度 1×10-12Pa
質量分析範囲 0~100, 200, 300amu
使用範囲 10-12~10-1Pa
取付フランジ ICF070(Cuガスケット)
PCコントロール Windows XP
(Inficon TWare 32に同じ)
通信 RS232C

WATMASSと従来型Q-massの自己ガス放出の比較実験結果

右のガススペクトルは、WATMASSと従来型Q-massの、 到達真空におけるスペクトルの違いを比較したものです。 2つの測定子を同じチャンバーに取り付け、 到達真空の4.5×10-9Paで、 WATMASSだけを点灯しますと右側の青のスペクトルが得られました。 WATMASSを点灯したことによる圧力上昇は僅かで、 残留ガス主成分は水素であり、COも非常に小さいです。 水とCO2のスペクトルは全くありません。
次に従来型Q-massを点灯すると、 全圧は1.3×10-7Paまで上昇しました。 この時、従来型Q-massから得られるスペクトルは左の黒のようになります。 10-9Aのレンジだけですと、一見水素だけなので、 これが到達圧での真空装置のガススペクトルと判断してしまいます。 しかし、これは従来のQ-massからのガスであることは明らかです。 従来型Q-massのスペクトルレンジを WATMASSと同じレンジに拡大してみますと、 圧倒的に多さでH2O,CO,CO2があり、 従来型Q-massからは非常に多くのガス放出があることが分かります。 従来型Q-massでは、超高真空や極高真空領域で 正しいガス分析ができないことが明らかです。

WATMASSが切り開く新たなアプリケーション

WATMASSはサンプル無しのバルブで封じ切った状態で、 排気ポンプ無しで1年間10-7Pa台の真空を維持できます (もちろんゲッターも無しです)。 飛躍的に改善した低ガス放出化により、我々は、 今まで全く考えられなかった次の様な新たなガス分析アプリケーションを提案し、 確実に実績を積んで来ました。 特に低輻射率/高熱伝導率で超低ガス放出新素材0.2%BeCu合金で製作したチャンバに、 本WATMASSを組み合わせて測定系を形成すれば、 シンプルなサンプルの加熱機構を実装した様々な新しいガス分析が可能です。 特にクローズ型イオン源と、1.5L/sの小径オリフィス(イオン通過口)を 組み合わせた構造は、非常に合理的な差動排気によるガス分析が可能になります。 もちろん、分析側にメタルバルブを接続し、排気後にバルブを閉じて完全封じ切りによる、 極微量ガス分析が可能です。

詳細はWATMASSを使った弊社の完全封止特殊ガス分析装置をご覧下さい。

WATMASSの種類

WATMASSには、 Open Ion Source とClosed Ion Sourceの2種類のイオン源があり、 次の4種類のタイプのWATMASSに組み合わせると、 合計8種類の形式のWATMASSをご提供することが可能です。

1.WATMASS TULO
  (高精度全圧計測電極付Q-massでBAゲージなど他の全圧真空計が不要です)
2.WATMASS Special (0.2%BeCu合金製超低ガス放出Q-mass)
3.WATMASS Special Gold (アルミニウム銅合金製の超低ガス放出Q-mass)
4.WATMASS 廉価版 (2次電子増倍管無しタイプ)

廉価版WATMASS(2次電子増倍管なし)

イメージ画像 AlCu製イオン源を搭載した廉価版WATMASS

イオン源部分を構成するフランジ部だけを、低ガス放出化構造にした、 廉価版のWATMASSです。2次電子増倍管(SEM)はありません。 分析できる全圧は10-8Pa台が限界ですが、 封じきりのガス分析を行う場合は全圧が10-7Pa台ですから、 廉価版でも問題なく高精度のガス分析が可能です。 イオン源フランジ部は9%AlCu製ですので、500℃までの高温ベーキングに耐えますし、 イオン源部分を200~300℃に昇温した状態でのガス分析も可能です。 価格はWATMASS-Special の約30%オフです。

クローズグリッド型イオン源